ソフトウェアの管理が適切の行われていなかった場合、企業活動に目に見えない負の影響が蓄積していくことになります。
負の影響の中に、セキュリティレベルが低下するという影響も含まれてきます。
では、負の影響について一つ一つ解説していきます。
【影響その1】余分なライセンス購入によるIT投資の無駄増大
実際にPCへ導入しているソフトウェア数よりも、保有しているライセンス数の方が遥かに多いという企業が一般化しています。
これは、今は利用していないPCに入っているソフトウェアを、本来ならば新規購入したPCに移行できるにも関わらず、導入ソフトウェアを把握していないために新たにソフトウェアを購入するケースが一番多いようです。また、価格的に有利なアップグレード・ライセンスの購入が可能な場合に、新規ライセンスを購入してしまうケースもあります。
1本1本のソフトウェア価格は小さくとも、それが積み重なれば大きなコストの無駄です。無駄なソフトウェアの保守費用も払い続ける結果となり、いつの間にかITの固定投資が増大します。
【影響その2】違法コピーの発覚による企業の信用低下
社内で使うだけだから、ちょっと一時的に使うだけだから、会社のソフトを自宅でも使いたいからと、といった軽い気持ちで違法コピーが発生しています。
しかし、違法コピーが内部告発や外部からの調査で発覚すると企業へは法的、経済的、そして信用低下という大きな影響を及ぼします。
社員が勝手に違法コピーをした場合も、会社として十分な管理体制で監督していたことが証明できない限り、会社はその責任を負うことになります。
【影響その3】セキュリティ脅威の発生やPC稼働の不安定化
バージョンの低いソフトウェアでは、セキュリティホール(セキュリティの脆弱性)が発見されています。バージョンアップを行わずそのままにしておくと、ウイルス感染などセキュリティ上のリスクが高まってしまいます。
そのため、ソフトウェア資産管理でソフトウェアバージョンを定期的に確認し、セキュリティ脅威のあるソフトウェアは常に最新版にバージョンアップしておくようにする必要があります。
その他、異なるセキュリティツールを同じPCに導入すると、PCの動作が不安定になる報告があります。その他の種類のソフトウェアでも、ソフトウェア同士の相性が問題で、PCやソフトウェアの動作が不安定となる場合があります。また、正式にサポートされていないOSにソフトウェアを導入した場合も動作が不安定となる原因となります。
PC利用者が勝手にソフトウェアをインストールできる環境の場合、上記のような現象が発生します。
PCやソフトウェアの動作が不安定となると、PC利用者の業務効率が大きく低下し、貴重なデータが消失する脅威も高まります。