中小企業のための勤怠管理

ー長時間労働のリスクと対策ー

長時間労働が大きな話題となっており、政府でも「働き方改革実現会議」が設置され議論が深められています。
 
日本社会では、長時間労働、サービス残業が日常に溶け込んでしまっているといった風景がありましたが、2016年後半からは連日のようにこの問題が報道されるようになり社会も強い関心を寄せるようになってきました。
政府も、長時間労働の是正に向け、時間外労働時間の上限を罰則つきで設けるなどの調整に入っています。
 
そのような環境下で、大企業では長時間労働の管理についての具体的な対策が開始されているという報道に接することも急激に多くなってきました。
一方、予算やマンパワーが限られた中小企業では、どのようなリスクがあり、どんな対策が必要なのかについて解説を行っていきましょう。

 

1.長時間労働とは?

長時間労働とは、1週間で40時間、1日8時間という勤務時間の上限が労働基準法第32上で決まっており(法定労働時間)、この上限の時間を大幅に超えた時間外労働(残業)となります。

では、長時間労働とは何時間以上の時間外労働となるのでしょうか?
実は長時間労働と月に何時間以上、週に何時間以上という明確なラインが設けられていないのです。

一つの目安として、労働基準法第36条にて時間外労働の限度時間は原則として「1ヶ月45時間以内」とされています。
いわいる36協定(サブロク協定)と呼ばれるもので、聞き覚えのある方も多いのではないでしょうか?

会社は、サブロク協定を労働者と締結して労働基準監督署に届け出ることによって、法定労働時間を超えて労働させても違法にならないというものなのです。労働者と締結というのは、労働組合または労働者の過半数を代表する者との書面による協定となります。
サブロク協定をもう少し具体的に見ていくと、以下のように労働時間延長の基準の範囲が設けられています。

(一般労働者の場合)

決算業務や大規模クレーム等の場合は、基準の例外も認められています。
また、事業や業務の特性によっても基準の例外や延長時間の上限が設けられていない場合があります。

本題の「長時間労働とは?」に話を戻すと、前述の通り長時間労働の明確なラインは設けられていませんが、サブロク協定を締結している場合は月45時間を超える時間外労働が継続されている場合があれば長時間労働とされる可能性が高くなると言えます。

 

 

 

2.長時間労働のリスク

長時間労働が発生している場合に、どのようなリスクがあるのでしょうか。
社員、業務効率、法令違反の3つの観点から見ていきたいと思います。

2-1.社員の健康リスク

仕事の負荷が大きくなるに伴って、睡眠や休養時間、家庭生活、余暇時間が不足してきて疲労が蓄積してきます。
それにより、脳・心臓疾患(過労死)、精神障害や自殺、その他過労性の健康障害が起こり、社員の健康を害する可能性が高くなります。 事故やケガも長時間労働が一因となる場合もあります。月80時間以上の残業があった場合、平均睡眠時間が6時間以下となるとの厚生労働省からの発表もあり、疲労回復の源である睡眠が不足し、社員の健康リスクを脅かすことになります。

2-2業務効率低下のリスク

長時間労働による疲労が蓄積してくると当然ながら思考能力が低下してきます。そのため労働生産性が低下し、それを補うために労働時間が増大し、長時間労働が益々激しくなるという悪循環が生まれます。 成果を求めて頑張れば頑張るほど、長時間労働による疲労から業務効率が低下してくるというリスクがあります。

2-3労働基準監督署(労基署)による調査リスク

滅多に調査に来ることはありません。しかし、もし来たら大ごとになります。
調査は数日に及ぶ場合もあり、色んな記録や帳簿などの調査が行われ、日常業務にも大きな影響が出てしまいますし、社内も雰囲気も当然ながら悪くなると思われます。

 
 
 
 

3.労働基準監督署の調査

3-1.労働基準監督署の調査はどのように行われるのか
調査は労基署が企業を任意に選んで調査する「定期監督」と、労働者の通報を受けて調査する「申告監督」があります。
「定期監督」はランダムに選ばれるようですが、以下のような会社は調査に来る可能性が高いようです。

  • 就業規則やサブロク協定を労基署に届け出ていない会社
  • 限度基準を超える長時間労働を合意する特別な協定である特別条項付きサブロク協定を届け出ている会社
  • サブロク協定において協定した時間外労働の時間が労災認定基準を超えている会社
  • 過去に労基署から是正勧告を受けている会社。

「申告監督」は、辞める時に会社側と何らかのトラブルがある従業員が労基署に申告して調査に来るケースがほとんどです。 その他、一定規模以上の労働災害が発生した場合の「災害時監督」、過去に是正勧告を受けた会社に対する「再監督」というのもあります。 調査は、会社まで監督官が来るケースと、監督署に呼び出されるケースとがありますが、調査を拒否することはできません。 

3-2労働基準監督署は何を調査するのか
労働基準監督官(立ち入り調査や資料の提出・尋問、特別同法警察職員としての権限を持つ国家公務員)が調査を行います。 労働関係帳簿のチェックを受け、事業主や人事担当者から聞き取り調査が行われます。 必要に応じて事業所内の立ち入り調査た従業員からの聞き取り調査も行われます。

 

4.長時間労働対策

4-1.長間労働対策で重要になるポイント
時間外労働の削減が長時間労働対策の基本となり、そのためには、労働時間の管理方法を見直す必要があります。 従業員の労働時間が把握・記録され、管理できる体制を構築することが最初の第一歩となります。 管理することができれば、長時間労働が発生しないように業務体制や残業の手続きなどを改善し、従業員間での労働時間のバラツキを調整し易くなります。

4-2.長時間労働対策の具体的取組
従業員毎の労働時間を管理するということは、実際に業務を行っている労働時間を管理する必要があります。 従業員の自己申告では、正しい労働時間を把握することは難しいと思われます。 また、自己申告のままではサービス残業等、長時間労働の温床となります。 では、どうすればよいのでしょうか?
会社では、一人一台のパソコンが当たり前となっており、パソコンが動作している時間が業務を行っている時間となります。 パソコンが起動している時間を把握することにより、従業員の労働時間を管理することができます。
パソコンが起動している時間は今すぐに手動で把握することができます。
各パソコンのログオン・ログオフの履歴を記録するのです。
詳細な手順は以下をご参照ください。



しかし、煩雑な作業が必要となりシステム担当者の大きな負担となってしまう可能性があります。
パソコン毎のログオンやログオフが行われた日時を自動収集できるツールも販売されていますので検討してみてはいかがでしょう。

 

まとめ

蒼天では、容易に社員のパソコンの動作時間を把握・管理したり、パソコンを利用できる時間帯や曜日の制限、強制的なパソコン停止が行える「LogVillage2.0 timeKeeper」を提供しています。
これまで、多くの中小企業様での長時間労働対策にご利用いただいています。

 

パソコン利用時間管理をご検討の方は以下よりお気軽にお問合せください。

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